毛髪について
太い毛と細い毛の違いとは
同じ毛の本数であっても、二〇代のはしめまで太く硬かった髪が、年齢を経ていくにつれて細く柔らかくなっていくことがあります。さらに、薄毛が進んで細い毛が産毛のように頼りなく見えにくい毛となっていくこともあります。太い毛と同じ本数の細い毛や産毛が生えていても、頭髪全体のボリュームはとても少なく見えるのです。特に男性型脱毛症(AGA)では、この傾向があります。こうした症状は、先はど説明したように、成長期間が短くなることが原因となって起こります。
男性型脱毛症では、成長期が数ヶ月~一年ぐらいと、通常の2~7年と比べると極端に短くなるため、本数自体は多くても、細い毛や産毛のような毛がはとんどとなってしまい、いわゆる禿げた状態に見えるのです。
また薄毛は、ヘアサイクルが短くなることとともに、加齢による老化や男性ホルモンによって新陳代謝が悪くなり、栄養が十分いきわたらなくなることにも起因します。毛の成長が阻害されていくと、退行期・休止期のあとに抜け毛があっても次の成長期が訪れない―つまり新しい毛が生えてこなくなってしまい、毛髪の数が少なくなってきます。
さて、少し繁雑になってきたので、ここでこれまで説明した脱毛症のメカニズムについて整理しておきましょう。
まとめると、薄毛や禿げといわれる脱毛症とは、
- ヘアサイクルが短くなる(早く抜ける)
- 太い毛か細い毛や産毛に変わっていく
- 新しい毛が生えてこない(本数が減る)
- 毛の成長(伸びること)が遅い
四つによって起こるのです。四つのうち、脱毛症ではいくつかが複合していることも多いのです。
毛髪のヘアサイクル
10万本ある髪の一本一本には、それぞれの成長サイクルがあります。その成長サイクルは、成長期(約2~7年)・退行期(約二週間) ・休止期(約三か月)と三つに分けることができます。毛は成長期のあいだ伸び続けて(一ヶ月で約一センチメートル)、退行期・休止期になると伸びるのをやめて、やがて抜け落ちていきます。
頭髪は通常一日平均で100本(三ヶ月で毛髪全体の1割にあたる約一万本)が抜け落ちていっています。この抜け落ちたところから、また新しい毛が生えていくのですが、こうして生えて、成長して伸びて、また抜け落ち、新しい毛が生えるという循環を周期的にとらえることができます。この生えてから次の新しい毛が生えるまでをヘアサイクル(毛周期)と呼んでいます。毛周期は健康な髪でヘアサイクルは、だいたい五~七年ぐらいです。
こうした毛一本一本のヘアサイクルは、それぞれずれていて、頭髪全体で10万本あっても、そのなかには、抜け落ちた前の状態や生え始めの状態の毛もふくまれているのです。
この毛髪サイクルは季節によって多少の変動があります。つまり、紫外線が強い夏には頭部を守るために髪の量が多く(成長期の髪の割合が多く)、紫外線か弱い冬の期間には髪の量が少なく(成長期の髪の割合が少なく)なるのです。夏が終わると、急に抜け毛が増えるという経験をしたことがあるかもしれませんが、それにはこんな理由があったからなのです。
このヘアサイクルが短くなると―即ち、退行期間や休止期間は変わらず、成長期間だけが短くなるとI頭髪全体として見た場合、十分に成長した髪の数が生え始めの毛の数に対して少なくなっていきます。つまり、成長していない生えかけの毛や抜け落ちた毛の割合が多くなるために全体として薄毛となってしまうのです。
頭髪の数は10~15万本
人の全身には約500万本の毛が生えています。そのなかで、頭髪は約10~15万事と言われています。東洋人は太くて硬い髪が多いので、平均して約10万本ぐらいだと考えられています。それでは10万本の髪の一本一本はどうなっているのか、簡単に見ていきましょう。
毛は皮膚に付属する器官です。植物を地下にある根と地表に出ている茎や葉、あるいは花に分けることができるように、毛も皮膚に埋まっている毛根と外に出ている毛幹に分けることができます。
毛抜きなどで抜いた毛を見たことがある方はおわかりでしょうが、毛根は毛包という袋に包まれています。この毛包には皮脂腺があって、そこから皮脂が分泌されています。毛の根元にあたる部分は丸く膨らんでいて、毛球と呼ばれています。この毛球の中に毛乳頭があります。
この毛乳頭を取り囲むように毛母細胞がありますが、ここに毛乳頭にある毛細に皿管から血液に含まれた栄養が運び込まれ、この栄養を使つで細胞が分裂を繰り返して、髪は成長して伸びていっているのです。